みなさんは「ジャズ研」や「ジャズ研究会」という言葉を聞いたことはありますか?
近年、「ブルージャイアント」や「セッション」のようなジャズをテーマにした映画が人気を集めたため、ジャズについて少し知っている方は多いかもしれません。しかし「ジャズ研」となると、その実態を知らない人は多いかもしれません。
この記事では、ジャズ研が一体どんなサークルで何をやっているのか、またどんな人におすすめかを、ジャズ研に興味がある人や音楽サークル選びに迷っている方に向けて解説していきます!
「ジャズ研」ことジャズ研究会とは
ジャズを研究しているサークル?!
「ジャズ研究会」と聞くとなんとなく小難しい印象を受けますよね。ジャズを研究ってどういうことってなりますが、この研究会は「愛好会」と同じくらいの意味合いで大丈夫です。端的にいうとジャズ研はジャズを演奏したり鑑賞したりするサークルです。そういう風聞くと、あまりほかの音楽サークルと活動の中身は大差ない感じがすると思います。
しかし、もちろんジャズ研究会にはジャズ研特有の活動も存在しています。次のセクションではジャズ研の活動について詳しくみていきます。
ジャズ研のおもな活動
ジャズ研究会と聞くと、なんだか堅苦しい感じがしますが実際はそんなことはありません。ここではジャズ研が何をやるサークルなのかを紹介します。
① セッション
ジャズ研サークルの活動のメインは演奏活動の場合が多いですが、その中でもメインなのがセッションです。ジャズ研ではメンバーを決めずにその場に居合わせた人たちと曲を決めて演奏することが多いです。そしてセッションのなかで、各自はインプロビゼーションやアドリブと言われる即興演奏を行います。
セッションでやる曲は大体決まっており、「ジャズスタンダードバイブル」(通称:黒本)に載っている曲を選んでセッションします。そのため初心者でもある程度予習してセッションに参加することが出来ます。
豆知識:「スタンダード」
スタンダード:ジャズの歴史の中で頻繁に演奏され、録音され、広められてきた楽曲群のことであり、ジャズミュージシャンのレパートリーの根幹を成す。日本のセッションでは、「黒本」と呼ばれるスタンダード集を用いることが多く、早稲田ダンモにも数冊この黒本が常備してある。
また参加できる楽器は幅広く、定番のピアノ、ドラム、ベース、サックス、トランペットからトロンボーン、クラリネット、ギターなど。またヴァイオリンや鍵盤ハーモニカなど、本当に多種多様な楽器で参加できます。もちろんボーカルでも参加可能です。
コラム:ジャムセッション
ジャズにおけるジャムセッション(以下セッション)とは、その場に集まったミュージシャンたちが、*スタンダードと呼ばれる曲たちを題材に自由にアドリブを取り合う演奏スタイルです。1940年代、(その昔)、ジャズがダンス音楽として主流だった時代に、ダンスバンドの仕事をしていたジャズミュージシャンたちが仕事終わりにあるNYのお店に集まり、自由に演奏し、鎬を削りあったのが起源と言われています。イメージとしては、言葉ではなく音楽を使ったディベート・パネルディスカッションに近いかもしれません。スタンダードという議題に沿ってプレイヤーたちがソロを通して自由に考えを紡いでいく。そして聴衆はソロが終わるごとに拍手を送る…ジャムセッションとはジャズそのもののように流動的で対話的な音楽の形なのです。
② ライブ活動
ジャズ研はただセッションをしているだけのサークルではありません。定期的なライブ活動を行っているジャズ研が多いです。ライブではセッションとは異なり、バンドを組んで、事前に練習を重ねてから本番に臨むことが多いです。
ジャズ研のライブは大体がジャズクラブ(ジャズのライブ用にピアノや専用のドラムセットが置いてある)でやることが多いです。また大学によっては学内のホールなど、キャンパス内での演奏があるところもあるかもしれません。
ジャズ研のライブでは普段のセッションではなかなかできない、難しい曲やキメを入れることが出来るため、会員の個性がよく出る場面です。
③ 鑑賞活動
ジャズ研はただジャズを演奏するだけではありません。ジャズを聴くことにも力を入れているケースが多いです。ジャズ研によっては部室にスピーカーやレコードプレーヤー、CDプレーヤーがあり、鑑賞環境が整っているところがあります。
会員同士集まって、好きな音楽についてシェアし合えるのはジャズ研のだいご味のひとつです。
また好きなジャズについてのコラムを書いたり会報を書いたりする活動を行っているジャズ研もあるかもしれません。(かつて早稲田大学モダンジャズ研究会には鑑賞部が存在し、会報の発行などを行っていました。ジョンコルトレーンにインタビューしたこともあるらしい…)
そのほか、会員同士でジャズ喫茶やジャズバー、ライブハウスをめぐることもあります。
ジャズ研はどんなひとにおすすめ?
どんな人にでもおすすめですと言い切ってしまいたいところですが、ここでは特にジャズ研究会に入会をおすすめしたい人のタイプを紹介します。
ジャズが好きなひと
一見すると当たり前すぎますが、結構重要なポイントです。同じ音楽趣味の人が集まることは普通に生活してたら稀ですし、ましてやジャズともなると一苦労です。決して楽器ができる必要はないので、ジャズが好きならぜひ一度はジャズ研に行ってみてください。
音楽的に成長したいひと
ジャズは音楽的に追求できる範囲がとても広いです。実際、ジャズのコードや理論は現代のロックやポップスのもとになっています。ジャズを学ぶことは、できる音楽の幅を広げることにつながります。音楽的研さんを積みたいひとは是非ジャズ研で学んでみてください。
初めて音楽をやるひと
ジャズ研は初めて音楽をやるひとにとてもおすすめです。というのも多くのジャズ研会員は大学からジャズを始めたり、楽器を始めたりした人たちです。未経験でも入会しやすい風土があるのがジャズ研の特徴です。
なにかを表現したいひと
ふんわりした言葉ですが、ジャズ研は何かを表現したい人にピッタリです。ジャズには即興演奏という概念があり、演奏者はそこで自由に音楽的表現を行うことが出来ます。なにかぶちまけたい気持ちがあるときはジャズ研でふきとばしましょう。
人間関係のしがらみが苦手なひと
ジャズ研はほかの音楽サークルと違い、固定のバンドを組んで活動することが少ないです。人間関係の余計なトラブルになることがほとんどないので、そういった人間関係はいやだけと、音楽はやってみたいというひとにもおすすめです。
ジャズ研究会には初心者でもはいれるのか?
ここまで記事を見てくださった方の中にはジャズ研の入会に前向きな方が出てきたかもしれません。しかしそこで付きまとうのが、ジャズ研に初心者や未経験者は入会できるのかという疑問です。実際のところはどうでしょうか。
結論:ジャズ研は初心者や未経験者でも入会可能です。
実は巷のジャズ研の会員のほとんどが大学生になってからジャズを始めていると思われます。もちろん経験者も入会してきますが、大学入学前からジャムセッションに通い詰めているような猛者を見かけることはかなり稀です。
また先ほど述べたように、セッションが活動の主体となることが多く、レベルの高いプレーヤーと交流する機会がしばしばあります。そのためセッションスキルを教えてもらえたりと、音楽的に成長できる環境であることが多いです。
レベル感の高低は会員ごとに多少はあれど、上級、初級問わず切磋琢磨できるのがジャズ研究会の魅力でしょう。
まずはジャズ研を見学してみよう!
ここまで、ジャズ研について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?ジャズ研について知る一つのきっかけになっていれば幸いです。
しかしひとくちにジャズ研と言っても、その雰囲気や活動内容は大学によって様々です。まずはご自身の大学のジャズ研や、近傍のジャズ研、有名なジャズ研などに見学に行ってみて、雰囲気を味わうことが一番です。ぜひ、ジャズ研で新しい音楽の一歩を踏み出してください!
早稲田大学モダンジャズ研究会は大学や学年を問わず、1年中新規入会を受け付けています!ご興味のある方は是非、見学やお問い合わせをお待ちしております!
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